アベ社長とオキボウ君
辺野古 7/12
松田ぬ浜をカヌー出てすぐのシュワブ浜に怪しい人影が。
どうやら沖縄防衛局のようだ。
仲間の一人が状況を確認するため、すぐに近寄っていった。
他のカヌーも後に続く。
ここは埋め立て予定地の一番西にあたるK1護岸が海へと伸びるスタート地点と思われる場所に非常に近い。
すぐ隣では国歌の流れるなか、米兵が壁に描かれた不気味なドクロのマークに敬礼をしている。浜にはやはり何かの作業をする準備として杭が打たれたりしているようだ。
午前中いっぱいこの場所に数名が残り監視を続けた。
今日は具体的な工事は行われなかったようだが、今後も注意が必要だ。
この浜の前の海面でいくつも赤い小さなブイが浮いているのも確認された。もしかしたら、陸上での工事に合わせて設置されるフロート等の準備なのかもしれない。
仮設道路の現場は9時過ぎまでも作業が行われなかった。
上面の土砂はキレイに固められているが、台風が来たらひとたまりもない。
僕は近いうちに舗装してしまうのではないかと思っている。台風対策とすればそれが一番有効だからだ。
ようやく作業がはじまったが、検査のようだ。
作業員が持った黒板には「現場密度試験」と書かれているように見える。
そうこうする間に雨雲が近くなってきた。雷注意報も発令されたとのこと。
カヌーチームは急いでテントへ退避し、天候の回復を待ちながら今後使うロープの準備などの作業を行った。
結局そのまま、今日の海上行動は打ち切りとなった。
テントのアイドル犬 ライ。
ここでひとつ、たとえ話を。
沖縄で働くオキボウ君はある日突然、東京本社のアベ社長に呼び出された。
本社への出張は来週の予定で、着ていくつもりのスーツは日曜までクリーニングから戻ってこない。生憎スーツを一着しかない持たないオキボウ君はアベ社長に相談を持ちかけたが、「つべこべ言わずにとにかく来い」と言われた。
仕方がないので、オキボウ君は普段着にしているジャージ姿で本社へ向かって飛行機に飛び乗った。
とにかく来いと言われて半日以上かかって本社まで来るには来たオキボウ君だが、さすがにジャージ姿では仕事にならない。そのまま机の前で週末が来るまで無為に過ごすしかなかった。
とうとう土曜日がやってきて、オキボウ君は半日以上かけて本社から自宅まで戻った。オキボウ君は日曜の朝一番にクリーニング店からスーツを受け取って、すぐその足で再び本社へと向かう飛行機に飛び乗った。
まさかここまでバカバカしいことは現実にそうそう起きないとお思いだろう。
しかし、常識を覆し続けてきたアベ政権では、こんなような事が実際に起こり、その無駄なツケは全て私たちの納めた税金で賄われている。誰も責任を問われることもない。
そんなバカなと思う方は、北上田さんのブログ『チョイさんの沖縄日記』「辺野古K9護岸工事の大変な手戻り」をご覧頂きたい。
http://blog.goo.ne.jp/chuy/e/cbf8ba9a4baecc933d9919c1ac5f1040
悩ましい三角ゾーン
辺野古 7/10
結局、防衛局はK1護岸工事に必要な仮設道路建設現場で作った捨て石を積んだスロープを完全に根固め袋材で覆ってしまった。
これでは捨て石を投下して仮設道路を、伸ばしていくことは不可能となる。
台風対策という見方もある。
ただ、値固め袋材で覆ったのは側面のみで、上面はと言えば、捨て石の上に黒いシートを敷きその上に細かい土砂を盛って転圧して、最後に鉄板を敷いた状態だ。
横から見ているので鉄板が上面のどの程度の割合をカバーしているかは定かではないが、土砂がむき出しとなっている面積がかなりあるということは鉄板のサイズから推測出来る。
細かい土砂を押し固めたものがむき出しの状態である時に台風の雨風にさらされたらどうなるかは、土木建築の素人でも想像がつくだろう。
現状で台風対策が済んだということはあり得ない。
さらに何らかの工程を重ねて上面も覆ってしまうのか、今後も作業内容の監視が必要だ。
(捨て石を積んだスロープの朝の様子)
(クレーン車が登場)
(根固め用袋材で捨て石を覆っていく)
(上面には細かい土砂を敷く)
(ロードローラーで転圧する)
(シュワブ仮設道路 盛土 根固め用袋材設置 設置状況 などの文字が見える)
(むき出しの捨て石はあと僅かだが…)
(中途半端に三角ゾーンが残ってしまう。周りの袋材を置き直したり何度もやりなおすのだが、上手くはいかない。
と言うか、左右両側から進めていけば、こうなるのは目に見えていると思うんだが…。)
(どうにもならないので、袋材をかぶせて隠してしまった!)
(小さな隙間は土嚢袋で埋めた!)
(ミケと茶ぁこも驚く作業の実態だ)
カチンときた
辺野古 7/8
何がやりたいのか分からない。
前日は夕方の4時半まで粘って赤白鉄塔前の仮設道路工事の監視を続け、クレーンを畳んだのを見届けてからカヌーとぶるーの船は現場を去った。
それなのに、今日来てみるとその後に作業が行われたようで、捨て石のスロープの上面にまんじゅう袋材が幾つか並べられていた。
午前中、作業をやる気が有るのか無いのか、ノラリクラリな感じで作業は何度も中断し、作業員もしょっちゅう日陰に逃げ込んだ。確かに熱い。浅瀬の潮溜まりは温泉のような温かさだ。作業が捗らないのも当然なのかもしれない。
そのうちクリーム色のフレコンバッグが数個運ばれてきて、またロクデモナイ物が出てくるのだろうと思って見ていたら、土嚢袋が出てきて、どうやらそれで法面のまんじゅう袋材の隙間を埋めようとするつもりのようで、作業員が人力で土嚢袋をまんじゅうの周りに置いた。
それから小さめの砕石も隙間に詰めたりしていた。
捨て石のスロープを台風の波風から守るために、大きなまんじゅう袋材を周りに置いてガードしたのに、まんじゅうの周りに小さな土嚢袋や砕石を詰めたら、その小さいのは台風の波風で持っていかれてしまうんじゃないか?
何がやりたいのか全く分からない?
(赤白鉄塔から300~400メートル西、K1護岸はこのあたりから海へと伸ばされてくる。今はまだ何も手つかずの様子だ。)
お昼はテントに戻って【うるまネーネーズ】のみなさんから差し入れの手作りお弁当を有り難く頂いた。美味しくてボリュームもたっぷりだった。
上面に置かれていた袋材は移されそこにまた土砂が敷かれ、ロードローラーで踏み固めた後に鉄板が敷かれ、クレーンがまんじゅう袋材を並べ始めた。
奇妙なことに捨て石のスロープが伸びていくはずの西側も囲ってしまった。
あと海側に3つか4つ並べればスロープの周りはグルリとまんじゅうで囲われ、捨て石でスロープを先へ伸ばす事は出来なくなる。
結局は天候の悪化で最後まで作業を見届けられなかったが、K9護岸と同様にこちらも作業が中断されるのかもしれない。この仮設道路の作業が始まった時に一部メディアは辺野古側の護岸工事と報じた。政府の腹づもりを表していると思われる産経新聞の記事にあった「来年1月までに北側では約100メートル、南側では約30メートルの護岸造成が進むと見込む」という部分の30メートルがこの捨て石のスロープだという見方も出来なくはない。
(元記事 http://www.sankei.com/smp/politics/news/170426/plt1704260018-s1.html)
月曜以降の作業状況に注目したい。
午後は潮がすっかりひいて、『海上保安庁』と書いたライフジャケットを着た海保が、陸上に突っ立っていることが妙に可笑しく思えてくる。
連日フロートを跨いで内側に入り抗議をしているが、すぐに海保に取り囲まれるので数歩しか入る事は出来ない。それでもそこに踏みとどまって抗議を続けている。海保は「1mしか違わないんだからフロートの外側で抗議したらどうか」とか「フロートの中でやっても外でやっても抗議は同じでしょう」と、しつこく言ってくるので、フロートの内側に入ることの意味を教えてあげた。
そもそもフロートのラインは臨時制限区域を示しているわけではない。臨時制限区域はどこに有るのかすぐに分からないほど飛び飛びに設置されている黄色いブイとブイを結ぶ目に見えないラインなのだ。だから、2014年から始まった辺野古新基地建設において、臨時制限区域が誰にも分かるようにはっきりと明示されたことなどただの一度も無い。
また、海保が時々口にする刑特法もフロートのラインとは全く無関係だ。何故ならフロートのラインはキャンプシュワブから一定の距離を囲むようには設置されていないし、一夜にして場所が変わるし、所々で二重になっているからだ。刑特法がそんなにコロコロ変わるハズがない。
つまり、フロートのラインは法的な根拠に基づいていない。根拠があるなら説明してれと、100回以上は海保に尋ねているが、明確な回答をされたことは一度も無い。
法的な根拠も無いいい加減なものによる規制に従えと言われて、はいそうですかといつも下がるワケにはいかない。時に抗って守っていかないと、市民の権利など権力側にどんどん削られていく。
フロートの外側と内側は1mしか違わないけど、フロートが法的な根拠のない規制のラインとして使われた時には内と外では全然意味が違うのだ。
という趣旨のことを話して聞かせたところ若い海保がこう言った。
「じゃあ今日はフロート内に入ってもう気持ちがスッキリしたでしょうから、そろそろ出て下さい」
…カチンときた。
目の前でこれだけの環境破壊をされて、県知事の許可もない違法な工事がどんどん進んでいるのに、今日はフロートの中に入ってスッキリしたでしょうって?
あなたにとってはこのフロートの内側に人を入れないことが正義かもしれないが、こちらはこの不正な工事をやめさせるというもっと大きな正義のためにここへ来ているんです。人を小バカにするようなことをおっしゃって、あなた考えが浅すぎやしませんか?
まぁ丁寧に言えばこういう趣旨のことを僕なりの言葉を使って太字のデカいフォントで彼にお伝えした。
同僚の海保が「まぁまぁ落ち着いて」と間に入り、若い海保は無口になってそのうち離れていった。
お口直しにかわいいお魚をどうぞ。
アメリカが飛ぶ
辺野古 7/7
朝陽が水面で煌めいている海へ
仲間と漕ぎだしていく
行った先では人間のエゴイズムが
具現化されている
あそこに積み上げられ踏みつけられる石粒は
子どもたち一人ひとりの未来に違いない
誰かが言った
この道は戦争へと続いていると
真夏の蒼空の下
違法な工事に抗議する一握りの私たち
私たちを遮るのは国家権力に操られた若者たち
対峙する私たちの頭の上をアメリカが飛ぶ
誰が支配しているのかを思い知らせるように
(ゲートからミキサー車が入ったようなので、辺野古崎のテトラポット制作現場へ。ミキサー車から生コンをクレーンで吊った杯型の容器に受けて、テトラの型枠へ流し込む作業の様子が見られた。一台のミキサー車から生コンを抜き取るには数十分間かかるようだ。)
(連日、赤白鉄塔で何かの作業が行われている。仮設道路建設との関連は今のところ不明だ。)
(捨て石のスロープに黒いシートを敷き始めた。シートの上に細かい土砂を盛っていく。)
(土砂をクレーンで踏み固め、その上に鉄板を敷いた。この場所で使うクレーン車はキャタピラではなく、タイヤで駆動するタイプ。前日にK9護岸でトレーラーのタイヤがパンクしたようなことが起きないように、対策されたのだろう。)
(早速クレーン車が現れた。スロープの向かって左に積んであった袋材を持ち上げ、右側の法面に置いた。効率の良い作業が行われているとは到底思えない。)
(右側、つまり東の辺野古崎方向を袋材で覆ってしまった。これでは捨て石を積めないので、仮設道路がまず伸ばされる方向は東ではなく、西のK1護岸の方向のようだ。)