カチンときた
辺野古 7/8
何がやりたいのか分からない。
前日は夕方の4時半まで粘って赤白鉄塔前の仮設道路工事の監視を続け、クレーンを畳んだのを見届けてからカヌーとぶるーの船は現場を去った。
それなのに、今日来てみるとその後に作業が行われたようで、捨て石のスロープの上面にまんじゅう袋材が幾つか並べられていた。
午前中、作業をやる気が有るのか無いのか、ノラリクラリな感じで作業は何度も中断し、作業員もしょっちゅう日陰に逃げ込んだ。確かに熱い。浅瀬の潮溜まりは温泉のような温かさだ。作業が捗らないのも当然なのかもしれない。
そのうちクリーム色のフレコンバッグが数個運ばれてきて、またロクデモナイ物が出てくるのだろうと思って見ていたら、土嚢袋が出てきて、どうやらそれで法面のまんじゅう袋材の隙間を埋めようとするつもりのようで、作業員が人力で土嚢袋をまんじゅうの周りに置いた。
それから小さめの砕石も隙間に詰めたりしていた。
捨て石のスロープを台風の波風から守るために、大きなまんじゅう袋材を周りに置いてガードしたのに、まんじゅうの周りに小さな土嚢袋や砕石を詰めたら、その小さいのは台風の波風で持っていかれてしまうんじゃないか?
何がやりたいのか全く分からない?
(赤白鉄塔から300~400メートル西、K1護岸はこのあたりから海へと伸ばされてくる。今はまだ何も手つかずの様子だ。)
お昼はテントに戻って【うるまネーネーズ】のみなさんから差し入れの手作りお弁当を有り難く頂いた。美味しくてボリュームもたっぷりだった。
上面に置かれていた袋材は移されそこにまた土砂が敷かれ、ロードローラーで踏み固めた後に鉄板が敷かれ、クレーンがまんじゅう袋材を並べ始めた。
奇妙なことに捨て石のスロープが伸びていくはずの西側も囲ってしまった。
あと海側に3つか4つ並べればスロープの周りはグルリとまんじゅうで囲われ、捨て石でスロープを先へ伸ばす事は出来なくなる。
結局は天候の悪化で最後まで作業を見届けられなかったが、K9護岸と同様にこちらも作業が中断されるのかもしれない。この仮設道路の作業が始まった時に一部メディアは辺野古側の護岸工事と報じた。政府の腹づもりを表していると思われる産経新聞の記事にあった「来年1月までに北側では約100メートル、南側では約30メートルの護岸造成が進むと見込む」という部分の30メートルがこの捨て石のスロープだという見方も出来なくはない。
(元記事 http://www.sankei.com/smp/politics/news/170426/plt1704260018-s1.html)
月曜以降の作業状況に注目したい。
午後は潮がすっかりひいて、『海上保安庁』と書いたライフジャケットを着た海保が、陸上に突っ立っていることが妙に可笑しく思えてくる。
連日フロートを跨いで内側に入り抗議をしているが、すぐに海保に取り囲まれるので数歩しか入る事は出来ない。それでもそこに踏みとどまって抗議を続けている。海保は「1mしか違わないんだからフロートの外側で抗議したらどうか」とか「フロートの中でやっても外でやっても抗議は同じでしょう」と、しつこく言ってくるので、フロートの内側に入ることの意味を教えてあげた。
そもそもフロートのラインは臨時制限区域を示しているわけではない。臨時制限区域はどこに有るのかすぐに分からないほど飛び飛びに設置されている黄色いブイとブイを結ぶ目に見えないラインなのだ。だから、2014年から始まった辺野古新基地建設において、臨時制限区域が誰にも分かるようにはっきりと明示されたことなどただの一度も無い。
また、海保が時々口にする刑特法もフロートのラインとは全く無関係だ。何故ならフロートのラインはキャンプシュワブから一定の距離を囲むようには設置されていないし、一夜にして場所が変わるし、所々で二重になっているからだ。刑特法がそんなにコロコロ変わるハズがない。
つまり、フロートのラインは法的な根拠に基づいていない。根拠があるなら説明してれと、100回以上は海保に尋ねているが、明確な回答をされたことは一度も無い。
法的な根拠も無いいい加減なものによる規制に従えと言われて、はいそうですかといつも下がるワケにはいかない。時に抗って守っていかないと、市民の権利など権力側にどんどん削られていく。
フロートの外側と内側は1mしか違わないけど、フロートが法的な根拠のない規制のラインとして使われた時には内と外では全然意味が違うのだ。
という趣旨のことを話して聞かせたところ若い海保がこう言った。
「じゃあ今日はフロート内に入ってもう気持ちがスッキリしたでしょうから、そろそろ出て下さい」
…カチンときた。
目の前でこれだけの環境破壊をされて、県知事の許可もない違法な工事がどんどん進んでいるのに、今日はフロートの中に入ってスッキリしたでしょうって?
あなたにとってはこのフロートの内側に人を入れないことが正義かもしれないが、こちらはこの不正な工事をやめさせるというもっと大きな正義のためにここへ来ているんです。人を小バカにするようなことをおっしゃって、あなた考えが浅すぎやしませんか?
まぁ丁寧に言えばこういう趣旨のことを僕なりの言葉を使って太字のデカいフォントで彼にお伝えした。
同僚の海保が「まぁまぁ落ち着いて」と間に入り、若い海保は無口になってそのうち離れていった。
お口直しにかわいいお魚をどうぞ。