夢をあきらめずに

You may say I’m a dreamer. But I'm not the only one.

【辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動】の新しいチラシにコラムを書かせてもらいました

先週土曜日から大阪駅前で配られているチラシにコラムを書かせてもらいました。

お近くの方は毎週土曜3時半~5時まで、大阪駅南バスターミナルでチラシを受け取ってみて下さい。

 

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 辺野古の美ら海への土砂投入が始まって一年の経過を伝えるどの記事にも、埋め立て土砂投入量は「まだ1%」との文字が目につく。しかし、海の破壊はその数字では表せない。
 餌場であった藻場から追われたジュゴン。護岸に阻まれて産卵する浜に上がれず途方にくれる海亀。巣をつくり雛を育てる岩場を奪われたアジサシ。保全を装うデタラメな移植によって殺された珊瑚。この海には数えきれないほどの種類の生物が生きているのに、埋め立て予定地の4分の1は護岸で囲われ、既に〝死の海〟に変えられてしまった。住処を追われ、日々殺されていく命はもう取り戻せない。土砂のパーセントはこの喪失を語らない。
 基地被害に苦しむ沖縄県民140万人は日本人全体から見れば1%余りでしかない。そうやって米軍基地問題は矮小化され、沖縄という小さな島のローカルな問題に封じ込められてきたのではないか。命の話は%では表せない。
 火災で失われた首里城のように、辺野古の海は今まさに燃えている状況だ。これは火を放つ者たちによる火事だ。彼らは火を消そうとする人々を力で遠ざけようとさえする。「まだ1%」の後に隠された「だから大丈夫」に私たちが安堵している間にも、炎は日に日に勢いを増し広がっていく。それは私たちの未来が燃やされているということでもある。


カヌーチーム辺野古ぶるー 山崎タヲル

 

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ヤンバルの深き森と海より

注文してた本が昨日やっと手元に届いた。


ヤンバルについて書かれた、沖縄在住の芥川賞作家の新刊だが、名護の本屋を回っても店頭には無かった。
ネットで調べるとAmazonで注文したら、4日後には届くようだった。
でも、僕はこの本は地元の本屋で買うべきだと思った。

 

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名護のイオンにある本屋に注文に行ったら、船便になるので取り寄せに2週間ほどかかると言われた。
僕は2週間待ってもいいから、名護の本屋で買うことにした。

相方によると新宿の紀伊國屋書店にも置いてなかったそうだ。
それで、地元の本屋に注文したら、やっぱり1週間から10日かかると言われたそうだ。
都内の本屋でさえそうなのだ。
ネットで個人がたった一冊注文しても、4日後には届くのに。
流通のシステムがおかしくなってるんだな。
本屋はたまったもんじゃないだろう。
他の小売業者も同じく、ネット販売に客を相当奪われてるに違いない。
地方の小さな店なんてどんどん潰れていく。
「早さ、安さ、便利さ」だけを追求していけば当然そうなるが、物を買う時に、品物を手に取って吟味することも、お店の人と言葉を交わしながら選ぶことも出来なくなっていく。
そんなのは味気なくて嫌だなと僕は思うので、ネット通販は極力使わないようにしたい。
完全に手を切るのは難しいけど…。

 

あっ、この本読んでみたいと思った人は、是非地元の本屋さんに注文して買ってくださいね。
ご近所の図書館にリクエストを出してみるのもいいかも。

塩川にて

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すぐ目の前の採石場から続々と、赤土土砂を満載にしたダンプが塩川港へやってくる。
ダンプは港に着岸した台船へ乗り込み、荷台を傾けてダンプ百数十台分の赤土土砂の山を台船に積み上げる。
赤土土砂でいっぱいになった台船は港を離れ、沖合で待つ「ガット」と呼ばれるグラブ・バッケットの装備された運搬船(通称ガット船)に横づけする。
ガット船はグラブ・バケットを使って、クレーンゲームのように台船から赤土土砂の山を瀬取りする。
積載量が満たされたガット船は大浦湾へ向かう。
これが塩川港での赤土土砂搬出作業だ。

 

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沖縄県には赤土等流失防止条例があり、赤土が河川や海へ流れ込むことによる水質汚濁は厳しく取り締まられている。
赤土による水の濁りはサンゴの光合成を阻害するなど、自然環境に大きなダメージを与えるからだ。
辺野古の埋め立てに使われる土砂は「岩ズリ」と呼ばれる、採石の際に出てくる砕けた岩の屑が使われる計画になっている。
しかし、実際には岩ズリとは名ばかりの赤土が、従来の岩ズリの3倍の高値で取引され使用されている。

この違法な土砂の投入が、もう一年以上野放しになって強行され続けている。

 

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サンゴの海へ投げ込まれる赤土は、言わば「花畑を踏み荒らす足」だ。

それを止めることは思想信条がどうのという以前に、当たり前のことだ。
しかし、ダンプに抗議しようと近づく我々は機動隊によって排除される。
赤土を積んだ船にカヌーで近づけば、海上保安庁によって行く手を阻まれる。

 

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「どう見てもあれは赤土でしょ
赤土を海に入れたらサンゴが死ぬんだよ
だから赤土を海に入れたらダメだって条例があるんだよ
あなたたちも毎日ダンプで何が運ばれてるかを見て、違法工事が行われてると知ってるでしょう」

 

塩川港で目の前に立ちはだかった若い機動隊員に、語りかけてみる。
しかし、彼の目の表情は真黒なサングラスで隠されていて読み取れない。

 

「違法なことを取り締まるのが警察の仕事でしょ
なのに目の前のダンプを警察は取り締まらない
海では海上保安庁も違法な船を取り締まらない
この違法行為を誰が取り締まるんだろうね
一体いつまでこの無法な状態が続くんだろうね」

 

彼は何も答えない。

 

「仕事で上からの指示通りにやらなければならない事があるのは分かるよ
でも実際にここで何が行われているか
目の前のダンプや抗議する人だけを見てたんじゃその本質は分からないよ
これを誰がやらせてるのか
これを強行しろって指示を出してる政府の人間がどんな人間か
今、国会でどれだけひどい答弁で自分の悪事をごまかしているか
そういうのも一緒に見ないと分からないよ」

 

そしたら、不意に彼がぼそっと答えた。

 

「それは自分も見てますよ。あれはダメだと思ってます」

 

それが分かっているなら、僕にはそれ以上彼にかける言葉は無かった。
僕は彼のそばを離れた。

 

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命の話をしよう

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金がものを言う世の中だ

真っ黒に汚れた手だろうが

大金を握ってさえいれば

人の上に立てるようだ

そうなると

卑しく儲けた者が

人を踏みつけにし

欲しいものを多く手にできる

もっと楽をしたい

もっと儲けたいと

誰もが金の顔色をうかがい

金にへつらって生きるようになる

そんな世の中だからこそ

命の話をしよう

25年前、75年前に失われた命の話をしよう

削られた山や埋められた海に生きた命の話をしよう

与えられた職務や日々の生業の合間に命の話をしよう

家族や友人や知らない人と命の話をしよう

誰かの頭の中で始まった戦争によって殺される命の話をしよう

利潤や国益と引き換えに投げ捨てられる命の話をしよう

理不尽に虐げられる命の話をしよう

工事の進捗率よりも殺された命の話をしよう

総埋め立て面積160haのうちの四分の一は

護岸で囲われてもう死の海に変えられてしまった

そこで息絶えた命の話をしよう

護岸の石をひとつずつ海から拾って

海と砂浜を隔てる壁を取り除いたら

何年後にウミガメは浜に戻って来るだろう

彼らが浜に産み落とす命の話をしよう

生まれたばかりの命の話をしよう

ベランダのプランターの土から芽を出した命の話をしよう

10年後、100年後に生まれてくる命の話をしよう

お金の話 儲け話はやめて

夜空に掲げられた 命の話をしよう

 

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燃えさかる炎

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今年も残り1ヶ月をきって

昨年末から始まった辺野古の土砂投入がらみの暦が巡ってきた

12月3日 安和の琉球セメント桟橋から土砂搬出が始められた日

12月14日 辺野古の美ら海に初めて土砂が投げ込まれた日

大きく結集を呼びかけた

海での行動が続いた


「あれから一年」と

メディアはそれなりに大きく扱ったが

どの記事を見ても

埋め立ての進捗状況は「まだ1%」との文字が目につく

県知事も「まだ1%」を強調している


しかしカヌーや船で現場の海に出ている者は知っている

ジュゴンの餌場であった藻場がどれだけ失われたかを知っている

護岸に阻まれて産卵する浜に上がれず彷徨うウミガメの姿を知っている

毎年アジサシが巣を作って雛を育てる岩場が埋め立て区域に取り込まれ

もう近づけないことを知っている

保全を装うデタラメな移植によって殺された珊瑚のことを知っている

日々土砂が投げ込まれている海には数えきれないほどの種類の小さな生きものが生きていたことを知っている

もう生き物はじゅうぶんに住処を奪われ

命は毎日殺されていることを

僕らは知っている


奴らが描いた企みを分母にした「まだ1%」に何の意味があるだろうか

その1%に数えられたひとつひとつの命はもう戻ることはない

その命にとっては100%の喪失だ


辺野古の海が全て埋められてしまった時には

沖縄の海のたった数%が埋められたに過ぎない

と言うのであろうか


沖縄県民140万人が基地被害に日々苦しんだとしても

それは日本人全体の1%ほどでしかない

そうやって米軍基地問題

沖縄という遠い南の島の小さな問題に封じ込められてきたのではないか


今日僕は首里城に行ってきた

沖縄に住んで4年近くになるが

いつでも行けると思ってまだ一度も行っていなかった

写真で知る美しい朱に染められた正殿を僕は見ることができなかった

そこは火事跡の瓦礫の山がまだ生々しく焼け焦げた臭いを微かに放っていた

焼け落ちてしまった沖縄の宝

だが、首里城は人々の願いと力の結集によって近い将来に再建されるだろう

 
しかし、もうひとつの沖縄の宝、辺野古・大浦湾の海は

失ってしまえば人々の力では取り返せない

既に失われた命は戻ることはない

辺野古は今まさに燃えている

炎は日に日に勢いを増し広がっていく

それが一年続いているのだ

今日殺された海を私たちは生きている間に

もう二度と元の姿で見ることは叶わない


これは自然災害や事故による火事ではない

火をつける奴らがいるのだ

火を消そうとその場に近づく我々を力で遠ざける奴らがいるのだ

どうすれば火を消せるのか

火をつけているのは誰なのか

この炎はどこまで燃え広がるのか

「まだ1%」の後に隠された

「だから大丈夫」に逃げ込んだ人たちは

何%まで燃えたら腰を上げるのか

辺野古の海は燃えている

それは私たちの未来が燃やされているということでもあるのだ

 

 

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