夢をあきらめずに

沖縄暮らしの記録

村井吉敬『エビと日本人II __暮らしのなかのグローバル化』から抜粋

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 町としては小さいがコレムの町のことを思い出して、スマトラ島沖地震津波を考えた。先に見たように、都市が津波を「怪獣のような殺人流体」に変えるのではないだろうか。マングローブ林伐採で、がら空きになった海から、都市のあらゆる芥(あくた)を押し流してきたのが津波であった。そしてマングローブ林の伐採は、エビ養殖と直結していたのである。

 

 

 

 東南アジアの海辺のマングローブ林から産出される輸入木炭の問題はわたしたちの暮らしに大きな原因がありそうだ。日本人が養殖エビを大量に輸入し、それをマングローブ木炭で焼き、ひたすら「美味しんぼ」する。しかし、せっかく「美味しんぼ」をしても、一方で従来日本で木炭の原料であったナラ、カシなどの広葉樹に代わって植えられたスギやヒノキのせいで花粉症が蔓延する。このような構図こそ「金満日本」の縮図なのかもしれない。アチェ津波、エビ養殖、マングローブとつないで見える構図に日本が大きく影を落としている。

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 世界の交易を支配しているのは世界規模のグローバル・コングロマリット(世界規模多国籍企業)である。世界最大のスーパーマーケットであるウォールマートで売られるTシャツは、韓国企業がインドネシアで低賃金を利用して生産している。世界ブランドのナイキのスポーツシューズもインドネシアベトナムの低賃金労働の上に成り立っている。もっとも大きな交易品である石油は誰が掘って、誰が儲けているのか。石油企業ロイヤル・ダッチ・シェル社の2004年の売上高は会社としては世界最高で269億ドル、エビ貿易額99.9億ドルの2.7倍にもなる。気の遠くなるようなグローバル大企業を前にすると、フェアトレードだけでは到底勝ち目はないと思わざるを得ない。が、しかし、にもかかわらずロイヤル・ダッチ・シェルの社員であれ、ナイキの社員であれ、ウォールマートの社員であれ消費者であることに変わりはない。世界のほとんどすべての人は、カネでモノを買う消費者である。消費者が消費の意識・行動を変えれば世界の交易のパターンは変わるのである。そう思う以外にない。

 

 

世界を見渡し、日々の暮らしを振り返り、どちらへ向かって未来を築いていくのか思い悩む時、ヒントになることがこの本にはいくつも書かれていた。

意識と行動を変えれば世界は変えられるのだ。

少なくとも、自分が変われば、76億分の1は確実に変わったことになる。

 

音楽を一緒に♪ 〜TOM WAITS & KRONOS QUARTET 『Diamond In Your Mind 』

毎日毎日

ため息の出るような話題ばかりだ

うっかり吐き出したため息は

すぐに「スーッ」と吸い込んでしまおう

それはいつか僕たちの中で宝に変わるものだからね

 


Tom Waits & Kronos Quartet - Diamond In Your Mind

 

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台風が来るよ

護岸工事も少し止まるだろう

護岸で囲われて淀んだ水をかき混ぜてくれたら

中の生き物が助かるかもしれない

いつだって少しはいいことだってあるさ

ため息ばかりじゃそれも見えなくなる

見逃さないようにしないとね

風待ち海 雨待ち島

辺野古 6/8

 

昨日フィリピン近海にあった熱帯低気圧が、朝には台風5号になっていた。

進路は少し東にそれて直撃ではないものの、沖縄へ近づいてくることは間違いない。

浜にカヌーを並べ始めたが、風はやや強く、このまま護岸工事は行われずに台風対策に入るのではないかとの見方もあったので、少し待機してなりゆきを見守ることとなった。

ぶるーの船が先行して様子を見に行く準備をしていると、護岸の上にダンプが続々と現れ、クレーンも動き始めた。

防衛局は護岸工事をやるつもりだ。

 

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台風が徐々に近づくにつれて、風も次第にあがってきて海上行動は午前中で打ち切らざるを得なかった。

この状況の中で、K4護岸工事のA,B,C三つのポイント全てで、捨て石の投入がさかんに行われていた。

 

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捨て石を海に投入し積み上げただけの状態では台風の波風には耐えられない。

捨て石の周りに被覆ブロックを積んでガードするか、せめて根固め袋材で覆うなどの台風対策処置が必要となってくる。

普通に考えるなら、台風の影響による風が強くなり始める前に、捨て石の投入を止めて、台風対策をするべきだ。

いつまでも捨て石投入を続けることは、それだけ台風対策する範囲が広がることになり、対応が天候悪化の後手に回れば、十分な台風対策が間に合わない可能性も出てくる。

印象としてはいつもより一層のハイペースで、全てのポイントにおいて護岸を伸ばすことに執着した沖縄防衛局の今日の工事状況は、異常だったと僕は思う。

作業現場の安全を常に蔑ろにする沖縄防衛局の姿勢が顕著にあらわれている。

 

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ryukyushimpo.jp

 

琉球新報の記事に掲載されたドローン空撮写真に衝撃を受けている。

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琉球新報記事より)

 

辺野古崎N3護岸の方から埋立て区域を撮った写真だが、この位置から見ると護岸工事ポイントAとBはほとんどくっついて見える。

実際にはまだ100mほどの間隔が開いた状態ではあるが、こうやって俯瞰で全体を見ると、もうほとんど閉じていると言っても過言ではない。

僅かに開いた護岸から流れ込む海水は囲いの隅々までは行き渡らないだろう。

既に場所によっては海水に淀みが生まれ、その周辺では水温や水質が変化し始めていることだろう。

魚みたいに移動することができない動植物は、悪化した環境のただ中に取り残されたかたちとなる。

例えばこの季節、晴天の日には気温30℃を超える日差しの強い沖縄で、運転席側の窓だけ開けた車の中に閉じ込められたら人はどうなるだろう?

それと同じようなことが海中で、もう実際に始まっている可能性は十分にある。

取り返しのつかない事態は日々じわじわと進行しているのだ。

 

危機的なこの状況をどうか周りの人に知らせて欲しい。

良き隣人と傲慢な侵略者

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朝、松田ぬ浜でカヌーを出す準備をしていると、軽装姿をした数十人の米兵が浜のゴミ拾いに現れた。

浜がそんなにゴミであふれていたわけではないので、有り余る人数の米兵だ。

彼らはもちろん善意から自主的にビーチクリーンをしているのではなく、上からの指示で動いている。

環境に気を配る良き隣人を演じるために。

その証拠に松田ぬ浜とフェンスを隔てた向こう側、キャンプ・シュワブの浜には米軍の水陸両用車がズラリと並べられていた。

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辺野古イノーで現在作られた護岸や仮設道路が海と砂浜を遮断したために、産卵期を迎え故郷の砂浜に卵を産みに戻ってきたウミガメは上陸することができずに彷徨っている。

そのウミガメにとって、この近辺にわずかに残された砂浜さえも米軍の水陸両用車によって奪われている。

砂浜を荒らし、海底の砂を巻き上げて茶色い濁った水の帯を描きながら、我が物顔で次々と海へ出ていく水陸両用車は、傲慢な侵略者の姿そのものだ。

良き隣人を装うビーチクリーンの偽善性が浮き彫りになって見えてくる。

 

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7月予定と言われていた埋立て土砂の投入が、8月中旬まで遅れるようだ。

 

辺野古、8月中旬にも埋め立て区域に土砂投入へ : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 

しかし、土砂が投入されるまでもなく、護岸の囲い込みが閉じられてしまうと、中の水温は上昇し多くの生物は生きていられなくなる。

今日現場を見た印象では、最初に土砂が投入されると報道されている辺野古崎寄りの区域の護岸が閉じるまで、もう2週間くらいだと感じた。

 

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(クレーンの位置がK4護岸工事Cポイント。この護岸が写真右のN3護岸に到達するまで残り100m程度となっている)

 

土砂の投入が遅れることが、翁長県知事の埋立て承認撤回の判断をさらに鈍らせることにならないように願うばかりだ。

生命を守るための決断をするなら、あくまで護岸が閉じる前の撤回でなければならない。

 


5/31 K4護岸工事Bポイント捨て石投下

  

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(3カ所のK4護岸工事ポイントに立つクレーン。左からA,B,Cの順

辺見 庸 目取真 俊『沖縄と国家』より抜粋

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問題はなぜ基地に反対するのかということを「オール沖縄」の中で突き詰めてこなかったことにあると思います。県外移設というんだけど、県外移設でいいのか。その実現性はどれだけあるか。高江のヘリパッド建設にはどうして反対しないのか。那覇軍港は県内移設でもかまわないのか。自衛隊の配備強化にも反対すべきではないか。沖縄県民は基地の被害を受ける立場でもあるんだけど、同時に、イラクアフガニスタンで米軍に殺される側からすれば、沖縄で鍛えられた兵士たちが自分たちに銃を向けるわけです。それに荷担してきたという面もある。であるなら、基地をどこかに「移設」する、「引き取る」という議論ではなく、基地そのものを無くしていくために力を尽くすべきではないか。そういう議論をもっと重ねていく必要がある。宮古八重山、与那国の自衛隊強化を含めて、沖縄が抱えている基地問題辺野古にとどまらない。それに対応していかないと一点共闘の「オール沖縄」は限界を露呈してしまう。

 

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目取真さんの言葉が胸に突き刺さってくる。

今こそ私たちが抗う理由を深く掘り下げ、がっちり根をはり巡らせないと、県知事選も危うい。

引き抜かれて、軽く持っていかれてしまう。