ハートに火をつけて
辺野古埋め立て作業の再開が迫ると報道されているなか、ブランクのあいている海上行動も再始動への肩慣らしとしてカヌー練習を行なった。
2ヶ月近く作業が行われていない辺野古には渡り鳥のアジサシが少ないながらも戻ってきていた。
松田ぬ浜から辺野古崎までの行き帰り、カヌーを漕いで何匹ものウミガメを見かけた。水中に目を凝らすと、彼らの餌場である藻場が見える。
大浦湾では2月と3月にはジュゴンの鳴き声と思われる音が記録されていたそうだ。工事が止まって運搬船の出入りが無くなって静けさを取り戻した大浦湾には、今日もジュゴンが戻ってきていたのかもしれない。
この平穏な海を少しでも長く保ちたい。
そう思っていると、キャンプ・シュワブ上空に轟音をあげながら、儚い願いを嘲笑うようにオスプレイが飛来した。
長らく羽地内海で待機を続けてきたランプウェイ台船、屋部3号と5号が北へと移動を始めた。
夕方6時過ぎには古宇利島のハートロックのあるティーヌ浜の前に停泊していた。
北回りのルートで、明日にも大浦湾に入って、運搬船で運ばれてきた埋め立て土砂を受ける作業にあたるのだろう。
政府による辺野古基地建設の暴挙を沖縄の現場だけで止めることはできない。
利権にまみれ、コロナ感染防止に役立たずなアベノマスクが配られるのを止めるには、家のポストの前で阻止するのでは遅過ぎるのと同じだ。
沖縄が力を尽くして作業を遅らせている間に、全国の声を集めて政権に圧力をかけ、政治的に断念させるしか実質的に止めることはできない。
利権をむさぼり続ける政権の腐敗が、コロナ禍で次々と露呈している。その最も露骨に現れている現場のひとつが辺野古新基地建設なのだ。
「沖縄を応援しています」という善意の言葉が、どれだけ的外れかということに、そろそろ誰もが気づかねばならない。