泥舟が沈む前に
辺野古 3/25
新たに埋め立て区域②への土砂投入が午後3時に始まった今日。
本当は何が起こったのか。
昨年12月から土砂投入が現在も続いている埋め立て区域②-1に加えて、並行して土砂投入作業が埋め立て区域②で行われることにより、埋め立てスピードが上がるかというと、そうではない。
毎日、安和の琉球セメント桟橋から搬出された埋め立て土砂は、運搬船に乗せられ大浦湾のK9護岸へと到着し、台船に積み替えられダンプを使って陸揚げされる。
1日あたりのダンプの陸揚げ量には限界がある。
つまり、この搬入される土砂の量には変わりはないので、全体として見れば埋め立てスピードは同じなのだ。
変わるのは持ってきた土砂を、今までとは違って数ヶ所に分けて投入することだけだ。
新たに土砂の投入が行われたのは、写真で汚濁防止膜が張られている2ヶ所だ。
何故1ヶ所ではなく、2ヶ所なのか。
実は埋め立て区域②は、三つの工区に分割されて、企業共同体に振り分けられている。
2ヶ所の土砂投入ポイントは、この1工区と2工区にあたる。
今まで作業を行なっていなかった2つの工区の受注業者が、今日から実際に工事をスタートしたことになる。
国が急いでいるのは埋め立ての進行ではない。
軟弱地盤問題や活断層問題への解決策が見つからず、計画の破綻、工事のストップが迫っていることを真っ先に知っていた国は、工事が止まる前にできるだけ多くの企業に利権をばら撒き、多額の税金を吸い上げることを急いだのだ。
実際に工事が行われなけば、業者に支払われるのは契約金のごく一部でしかないからだ。
「泥舟が沈む前に、儲けられるだけ儲けてしまおう」
利権に群がる者たちは今この事だけに躍起になっている。
普天間の危険性除去だの、国の安全保障などというのはお題目に過ぎない。
自分たちの納めた税金がこのように一握りの者たちの利益となって際限なく吸い上げられていることが、ここまであからさまになったこの期に及んで、これは沖縄の問題だと言って知らん顔を続けていられる呑気な国民はどれだけいるだろうか?
全国の皆さん、喰いものにされているのはあなたですよ。
そして、ロクでもない未来を手渡された次の世代の人々からこの事の責任を問われるのは、僕も含めた私たち全てですよ。