夢をあきらめずに

沖縄暮らしの記録

歩き去る人の群れ

神戸・三ノ宮、大阪駅前 11/17

約一年半ぶりに参加する神戸行動と大阪行動。

 

f:id:yamasa-kick:20181120181944j:image


「こんにちは。どうぞ読んで下さい」

街を足早に通り過ぎていく人の波に、沖縄で起こっていること、辺野古新基地建設の実態が書いてあるチラシを差し出す。

会釈をして断る人、全く無視して通り過ぎる人、しかめ面で避けて通る人、ほとんどの人はチラシの内容が何であろうと受け取ることはない。

 

f:id:yamasa-kick:20181120182236j:image


毎日毎日忙しいし、今は目的地に急いでいるし、待ち合わせの時間に遅れるし、道に迷ってそれどころじゃないし、会話に夢中で目に入らないし、何となく面倒そうだし、自分とは無関係な話だし、大事なことだとしても関わってる暇は無いし、とにかく自分には何も出来ないよ、こっちだって色々あるんだから…。

数年前までは僕もそうやって気に留めることもなく歩き去る人の群れの一人だった。

自分が暮らす社会や世界の本当の姿を見ようともせず、与えられたわずかな自由の中で、漠然とした不満と不安を抱えながら、それをどこへ向けるべきなのかも知らず、「しょうがないよね」と言いながら、誰かが作った価値観の中で一喜一憂しながら分かったような気になって、ふらふらと生きていた。

 

f:id:yamasa-kick:20181120182349j:image
f:id:yamasa-kick:20181120182335j:image


僕が今街頭に立って伝えようと思う沖縄の基地建設については単に沖縄の問題ではない。

長年にわたり虐げられた沖縄の支援を求める声を代弁しているつもりもない。

沖縄をなんとかして欲しいなんて僕は願ってない。

変えなくてはならないのは沖縄じゃない。

僕が福島の原発事故をきっかけにして、真実を知ろうとしたように、今無関心に街を通り過ぎる人に変わって欲しいと切実に僕は願っている。

目をつぶり、耳を塞いで生きている間に、次第に自由を奪われ、社会に踏みつけられ、同時に誰かを知らずに踏みつけにすることを強いられ、未来をすっかり台無しにすることに加担させられていることを、かつての僕と同じように生きる人に知ってもらいたい。

僕が変われたように、きっと誰もが変われるはずだと信じているから。

 

f:id:yamasa-kick:20181120182418j:image


神戸行動の終盤に一人の初老のおじさんが話しかけてきた。

「県外で移設しようとしても、鳩山がやったみたいに無理やから、離島のどっかに移したらどうや?島の住人には補償金を払って移住してもらって…」

おじさんの案はなかなかにとんでもないプランだったが、離島に移すことでは沖縄の基地負担は軽減されないこと、そもそも日本の税金を使って米軍のための基地を国内につくることってどう思うの?など、おじさんとの会話を重ねていく。

おじさんの考えとの溝は簡単に埋まりそうには思えなかったが、

「でも、政府が言うみたいに辺野古が唯一の解決策ってのはないでしょ」と言った途端に、

「そうそう、そうそう!」とおじさんは大きく頷いてくれた。

「もう、どうしたらええんやろな。とりあえずそれもらっていくわ」

とチラシを受け取って、おじさんは立ち去っていった。

 

f:id:yamasa-kick:20181120182451j:image


毎週同じ時間に同じ場所で神戸行動、大阪行動の活動があることの意義は非常に大きいと思う。

この日のおじさんのような人も含めて、様々な人が多様な思いや情報を持ち寄り、意見を交わし、学んだり勇気づけられたりする場所、集まる人にとっての受け皿となる場が全国各地に有って欲しいと思う。

 

f:id:yamasa-kick:20181120182522j:image


沖縄で起こっていること、福島で起こっていること、様々な差別や人権侵害、未来を台無しにする悪政、何もかも一気に解決することは出来ないけど、それぞれの場所で一人ひとりが意識を持って小さな行動を重ねていけば、世界は必ず変わっていく。

諦めずに続けていこう。