友よ美ら海へ
辺野古 3/29
松田ぬ浜をカヌーで出発した頃から、K3護岸上のクレーンがゆっくりゆっくりと引き下がっていた。
カヌーを漕いで護岸を取り囲むオイルフェンスにまでたどり着くと、クレーンは護岸のつけ根である浜の方へすっかり戻っていた。
(クレーンの居なくなったK3護岸)
どうやら台風接近の影響で作業は中止されるようだ。
とは言っても、風は普段より少し強い程度。
気心の知れた6人のメンバーで、もうひとつの護岸であるK4の方まで漕いで様子を見に行く。
K4護岸上にもクレーンの姿は既に無く、護岸工事は完全にストップすることが確認出来た。
台風3号の予想進路は東に大きく離れているとはいうものの、これからまだ接近してくるので、この週末はもっと風が上がってくる。
作業の再開は週明けになりそうだ。
(K4護岸の西側最先端)
全長1.6㎞の護岸で2ヶ月後には完全に外海と切り離される辺野古イノーの広大な範囲を見渡し、ここに生きる全ての命が近く殺されることを思う。
ここを住処とする多種多様な生物が、処刑台へと続く通路を列になって進んでいるような、もう切羽詰まったそんな状況だ。
しかし、これは台風のように自然の力によるものではない。
だから、止める方法はあるはずだ。
全国の人、全世界の人に、この大量虐殺を止めるため、それぞれのやり方で行動を起こして欲しいと思う。
多くの人がアクションを起こす時に、この無謀な基地建設計画は必ず止まるのだから。
工事の中止を見届けてから、トレーニングを兼ねて平島まで漕いだ。
今日のぶるーメンバー6人は互いの力量もよく分かりあった、頼もしい仲間たちだ。
向かい風を苦にすることもなく、ぐんぐんカヌーを進ませていく。
浜でひと休みした後、平島の周りをぐるりと回って、島の美しさを堪能した。
辺野古イノーの広大な範囲が護岸で囲われ、埋め立てられてしまったら、平島の自然環境にも甚大な被害が及ぶことは間違いない。
無謀な基地建設と引き換えに、失うものの大きさは計り知れない。
そのことを多くの人に伝えなければならない。
まだ見ぬ友を、この海へ招くために。
(帰路は米軍の演習とニアミス)