沈みゆく泥の舟
辺野古 3/9
北風が強く肌寒い一日。
強風波浪注意報で、今日もカヌーは海へ出せなかった。
今日もまたゲート前に向かった。
ごぼう抜きした人々を檻に閉じ込める人権侵害が日常化している。
どうしてこんな事が出来るのか、説明を求めても回答は一切無い。
座り込みの対岸で県警の無法ぶりをマイクで指摘する指揮者は、車両の通行の妨げになることはないにもかかわらず、複数の機動隊に囲まれて、毎回力づくで排除される。
これも法的な根拠は明確にされていない。
その一方で、搬入車両は反対車線に大きくはみ出してゲートから入っていくことには県警は無関心だ。
過積載や様々な違法ダンプの使用についても全くお咎め無し。
キャンプ・シュワブのゲート前は無法地帯化している。
この日2回目の車列がゲート通過を終えたお昼過ぎに浜へ降りて来たら、護岸ではクレーンが捨て石の投下作業をしていた。
ゲート前でも防衛局に対してマイクで何度となく指摘されていたが、大浦湾のボーリング調査で明らかになっている層厚40mにも及ぶ軟弱地盤や、活断層と思われる断層の問題は解決の見通しもたたないままに、辺野古側で急ピッチで護岸工事を進めることは異常事態である。
この辺野古新基地建設計画は破綻する可能性が十分にある。
見通しの立たない計画に湯水のように税金を注ぎ込み、かけがえのない環境を破壊していくことを躊躇うことなく続けている。
この計画が破綻した場合に、誰が、どう責任を取るのか?
責任の所在がはっきりしていないから、基地建設利権に群がる者たちは
「どうせ計画が破綻するなら、破綻するまで儲けられるうちに出来るだけ儲けておこう」
という卑しい思考に陥る。
しかし、一度壊された自然環境は簡単には元に戻せない、責任なんて誰も取れないということを真摯に受け止めれば、即刻工事を中止し、全ての計画を一から見直すべきなのだ。
もし、日米両政府が最良の基地を、本気で作ろうとしているのなら、それはなおさらのことだ。
止まるどころか加速していくというところに、この工事計画の本質がどこに有るのかが垣間見える。