小さな抵抗を
辺野古 3/8
短い時間だけどゲート前に座った。
すぐにミキサー車がやって来て、機動隊による座り込みの強制排除が始まった。
人を担ぎ上げ、鉄柵と機動隊の壁でこしらえた人間の檻に運び込み、閉じ込めるという人権侵害が相変わらず公然と行われている。
僕は鉄柵を乗り越えて、列をなしてゲートを通過していくダンプやミキサー車に向かって「あなたのダンプが子どもたちの未来を壊す」という内容のプラカードを掲げた。
運転席を見上げ、運転手一人ひとりの目を見つめてみるが、ほとんどの人は目を合わせない。
老若男女いろんな人が海を殺す砕石を積んだダンプを操り、基地内に入っていく。
僕はプラカードでアピールしながら、彼らの生活に想いを馳せていた。
彼らにだって愛する家族や、気のおけない友人や、大切な仲間がいるはずだ。
自分が仕事で運んだ砕石が、その大事な人たちの未来を壊すために使われることを、いいと本心から思う人はほとんどいないに違いない。
じゃあどうすればいいのか。
ダンプの運転手には何ができるのか。
そこを少しでも考えて、何か小さな抵抗を試みて欲しい。
僕はまだ彼らに何かが伝わると信じているから、諦めることはできない。