生きる喜びと死の色
海と山が近い
ヤンバルにも似た場所
ミツバチと馬の力を借りて
人と自然が交わる暮らし
あたたかい地域のコミュニティ
賑やかな家族にまぎれこませてもらい
穏やかな時間を過ごせた
サーフィン、SUP、蜜蝋ラップづくり
初体験の思い出もたくさんもらった
子どもたちと畑の野菜と一馬力が耕す土地と新しい蜂の巣
命が日に日に育つ
それらが積み重なって
気取りのない暮らしの奇跡がカタチとなっていく
未来へぐんぐん進んでいくパワー
溢れる生きる喜び
島へ戻る空から辺野古の埋立区域が見えた
護岸で囲われた海は死の色に変わっていた
土砂が埋め立てていくのは海だけでない
子どもたちの明日
平和で穏やかな日々
小さな声が大きな力で潰されない社会
じわじわと埋められている
やはりここを最前線として崩れ始めているものを
どうにか止めなければ未来は暗く閉ざされる
この崩壊を引き起こしている力は何処にでもある
それは僕の中にも
だから誰かが止めるのではなく
僕の中の崩壊を僕が止めるのだ
そうやってみんなが内なる崩壊を自ら止めないと
戦争も差別も
人が人を喰いものにする世の中も
決して無くなりはしない
今日も海では…
辺野古 4/4
辺野古崎からK8護岸が伸ばされ始めて1ヶ月。
250mまで作ると言われているその護岸のうち、約100mは捨て石の投下が済んでいる。
大浦湾側から見ると、辺野古崎と長島の間は半分近くが塞がれてしまったのが分かる。
大浦湾と辺野古イノーをつなぐ動脈とも言えるこの海水の流れが断たれてしまうことで、大浦湾や辺野古イノー全体に大きな影響を及ぼすことは素人が考えても容易に想像がつくだろう。
このペースで作業が進むと5月半ばには大浦湾と辺野古イノーは分断されてしまう。
そして、K8護岸は土砂陸上げ用の新たな桟橋として流用され、埋め立て土砂投入のペースが倍のスピードになる。
護岸工事と並行して、辺野古側では3ヶ所のポイントで埋め立て土砂の投入が続いている。
1kmの長さがあるK4護岸ではテトラポットの設置も始まった。
この基地建設計画の破綻を思わせるニュースや、様々な問題点が新聞で度々書かれても、それとは全く関わりのないように作業は毎日毎日行われている。
じわじわと海は毎日殺されている。
新たな埋め立て区域で土砂投入が始まった3/25には普段は見かけないメディアが駆けつけて、いくつか僕も取材を受けた。
「今日が特別ということではない。毎日毎日海は殺されている」
僕は記者にそう答えたが、多分それはあまり伝わらなかった。
次の日から取材に来るのは、地元二紙、琉球新報と沖縄タイムスだけにまた戻った。
安和の琉球セメント桟橋からの土砂搬出も止めたい。
土砂を満載にした運搬船が大浦湾に入ってくるのも止めたい。
土砂がK9護岸に陸上げされるのも止めたい。
土砂投入も、K8護岸工事も、テトラポットの設置も、どれもこれも止めたいが身体はひとつだ。
最近は仕事が忙しかったり、天候不良だったり、あまり多くは海に出られない。
たまに海に出ると、その度に随分と伸びた護岸にショックを受ける。
心身ともに疲れも感じている。
毎日笑って暮らしているが、海が殺されていくことを止められない後ろめたさが、常に片隅にある。
だからといって、目をそらすことはできない。
守ろうとしているものは、決して手放したくないかけがえのないものだ。
この海を諦めてしまったら、自由や平穏な日々や大切な人々さえも、するするとこの手から抜け落ちてしまうに違いない。
その思いが、命を守る行動をここまでつなげてきたはずだ。
#STOP_K8
そこに在る命
大浦湾の奥まったところにある小さな砂浜
瀬嵩(せだけ)浜は奇跡的な条件に恵まれたおかげで、他のどの浜よりも多くの種類の貝が流れ着く特別な場所
それは大浦湾の生物多様性がいかに豊かなのかをはっきりと物語っている
貝の種類は大まかに分けると三つ
二枚貝の仲間
巻き貝の仲間
そして、もうひとつは獣の牙のような形をしたツノガイの仲間だ
ツノガイは海底にそのツノを突き刺すようにして生きている
だから、ジャリジャリした砂地や岩場などにはいない
水深数十メートルにあるフカフカの柔らかい海底がツノガイの住処だ
つまり、辺野古新基地をつくるため地盤改良すると国が言っている、「軟弱地盤」と呼ばれるフカフカの海底こそがツノガイの生息地なのだ
そこに7万本以上の砂杭を打ち込んでおいて、自然環境に配慮しながら工事を進める、なんてことはあり得ない
空爆しながら、住民生活に配慮すると言ってるようなものだ
安倍さんをはじめとした大浦湾の破壊を強引に推し進めようとする人々には、是非「貝と言葉のミュージアム」を訪ねてもらいたい
もちろんそれ以外の方にも超おすすめ!
要予約です
泥舟が沈む前に
辺野古 3/25
新たに埋め立て区域②への土砂投入が午後3時に始まった今日。
本当は何が起こったのか。
昨年12月から土砂投入が現在も続いている埋め立て区域②-1に加えて、並行して土砂投入作業が埋め立て区域②で行われることにより、埋め立てスピードが上がるかというと、そうではない。
毎日、安和の琉球セメント桟橋から搬出された埋め立て土砂は、運搬船に乗せられ大浦湾のK9護岸へと到着し、台船に積み替えられダンプを使って陸揚げされる。
1日あたりのダンプの陸揚げ量には限界がある。
つまり、この搬入される土砂の量には変わりはないので、全体として見れば埋め立てスピードは同じなのだ。
変わるのは持ってきた土砂を、今までとは違って数ヶ所に分けて投入することだけだ。
新たに土砂の投入が行われたのは、写真で汚濁防止膜が張られている2ヶ所だ。
何故1ヶ所ではなく、2ヶ所なのか。
実は埋め立て区域②は、三つの工区に分割されて、企業共同体に振り分けられている。
2ヶ所の土砂投入ポイントは、この1工区と2工区にあたる。
今まで作業を行なっていなかった2つの工区の受注業者が、今日から実際に工事をスタートしたことになる。
国が急いでいるのは埋め立ての進行ではない。
軟弱地盤問題や活断層問題への解決策が見つからず、計画の破綻、工事のストップが迫っていることを真っ先に知っていた国は、工事が止まる前にできるだけ多くの企業に利権をばら撒き、多額の税金を吸い上げることを急いだのだ。
実際に工事が行われなけば、業者に支払われるのは契約金のごく一部でしかないからだ。
「泥舟が沈む前に、儲けられるだけ儲けてしまおう」
利権に群がる者たちは今この事だけに躍起になっている。
普天間の危険性除去だの、国の安全保障などというのはお題目に過ぎない。
自分たちの納めた税金がこのように一握りの者たちの利益となって際限なく吸い上げられていることが、ここまであからさまになったこの期に及んで、これは沖縄の問題だと言って知らん顔を続けていられる呑気な国民はどれだけいるだろうか?
全国の皆さん、喰いものにされているのはあなたですよ。
そして、ロクでもない未来を手渡された次の世代の人々からこの事の責任を問われるのは、僕も含めた私たち全てですよ。