夢をあきらめずに

You may say I’m a dreamer. But I'm not the only one.

沈みゆく泥の舟

辺野古 3/9

 

北風が強く肌寒い一日。

強風波浪注意報で、今日もカヌーは海へ出せなかった。

今日もまたゲート前に向かった。

 

ごぼう抜きした人々を檻に閉じ込める人権侵害が日常化している。

どうしてこんな事が出来るのか、説明を求めても回答は一切無い。

f:id:yamasa-kick:20180309233330j:plain

 

f:id:yamasa-kick:20180309233404j:plain

 

座り込みの対岸で県警の無法ぶりをマイクで指摘する指揮者は、車両の通行の妨げになることはないにもかかわらず、複数の機動隊に囲まれて、毎回力づくで排除される。

これも法的な根拠は明確にされていない。

f:id:yamasa-kick:20180309233437j:plain

 

その一方で、搬入車両は反対車線に大きくはみ出してゲートから入っていくことには県警は無関心だ。

f:id:yamasa-kick:20180309233512j:plain

 

過積載や様々な違法ダンプの使用についても全くお咎め無し。

f:id:yamasa-kick:20180309233733j:plain

キャンプ・シュワブのゲート前は無法地帯化している。

 


違法な過積載ダンプが続々とゲートを通過していく

 

この日2回目の車列がゲート通過を終えたお昼過ぎに浜へ降りて来たら、護岸ではクレーンが捨て石の投下作業をしていた。

 

ゲート前でも防衛局に対してマイクで何度となく指摘されていたが、大浦湾のボーリング調査で明らかになっている層厚40mにも及ぶ軟弱地盤や、活断層と思われる断層の問題は解決の見通しもたたないままに、辺野古側で急ピッチで護岸工事を進めることは異常事態である。

この辺野古新基地建設計画は破綻する可能性が十分にある。

見通しの立たない計画に湯水のように税金を注ぎ込み、かけがえのない環境を破壊していくことを躊躇うことなく続けている。

この計画が破綻した場合に、誰が、どう責任を取るのか?

責任の所在がはっきりしていないから、基地建設利権に群がる者たちは

「どうせ計画が破綻するなら、破綻するまで儲けられるうちに出来るだけ儲けておこう」

という卑しい思考に陥る。
しかし、一度壊された自然環境は簡単には元に戻せない、責任なんて誰も取れないということを真摯に受け止めれば、即刻工事を中止し、全ての計画を一から見直すべきなのだ。

もし、日米両政府が最良の基地を、本気で作ろうとしているのなら、それはなおさらのことだ。

止まるどころか加速していくというところに、この工事計画の本質がどこに有るのかが垣間見える。

 

 

 

小さな抵抗を

辺野古 3/8

 

短い時間だけどゲート前に座った。

 

f:id:yamasa-kick:20180309003718j:image

すぐにミキサー車がやって来て、機動隊による座り込みの強制排除が始まった。

f:id:yamasa-kick:20180309003749j:image

人を担ぎ上げ、鉄柵と機動隊の壁でこしらえた人間の檻に運び込み、閉じ込めるという人権侵害が相変わらず公然と行われている。

f:id:yamasa-kick:20180309003812j:image

僕は鉄柵を乗り越えて、列をなしてゲートを通過していくダンプやミキサー車に向かって「あなたのダンプが子どもたちの未来を壊す」という内容のプラカードを掲げた。

運転席を見上げ、運転手一人ひとりの目を見つめてみるが、ほとんどの人は目を合わせない。

老若男女いろんな人が海を殺す砕石を積んだダンプを操り、基地内に入っていく。

f:id:yamasa-kick:20180309004724j:plain

 

僕はプラカードでアピールしながら、彼らの生活に想いを馳せていた。

彼らにだって愛する家族や、気のおけない友人や、大切な仲間がいるはずだ。

自分が仕事で運んだ砕石が、その大事な人たちの未来を壊すために使われることを、いいと本心から思う人はほとんどいないに違いない。

じゃあどうすればいいのか。

ダンプの運転手には何ができるのか。

そこを少しでも考えて、何か小さな抵抗を試みて欲しい。

僕はまだ彼らに何かが伝わると信じているから、諦めることはできない。

 

f:id:yamasa-kick:20180309003640j:image

今しかないチャンス

f:id:yamasa-kick:20180225190706j:image

f:id:yamasa-kick:20180225191021j:image

f:id:yamasa-kick:20180225191045j:image

 

辺野古 2/24

 

先週までとは違って、海保はオイルフェンスから引いて後ろに下がった状態で警備にあたっている。

今週は集まったカヌーの艇数が10艇以下と比較的少ない日が続いたために、余裕を持って対処するようにしたのだろう。

 

f:id:yamasa-kick:20180225190908j:image

f:id:yamasa-kick:20180225190936j:image

 

この日のカヌーは12艇だったが、午前中はオイルフェンスの上にカヌーを引き上げても、ゴムボートでギリギリまで距離を詰めてくることはなかった。

この方法で警備すべきなのだ。

カヌー1艇に対してマンツーマンで接触するまで距離を詰めるような過剰な警備体制は、カヌーが動き出した時に狭いエリアに密集したゴムボートも同時に動き出すことになり、死角に入ったカヌーとゴムボートが接触するような不測の事態を招くことになりかねない。

後ろに引いてカヌーの動きをゆっくり見てから動き始めても、高速のゴムボートは楽々追いつくのだから。

現場の安全を第一に考えるなら、そうするべきだ。

 

f:id:yamasa-kick:20180225190805j:image

f:id:yamasa-kick:20180225191236j:image

f:id:yamasa-kick:20180225191329j:image

 

カヌーはチャンスを狙ってオイルフェンスを越えていくが、終いには海保に捕まり浜まで運ばれる。

浜で解放されるとすぐに現場へ戻り、またチャンスを伺う。

夕方4時近くまでカヌーメンバーはそれを粘り強く6〜8回は繰り返した。

 

f:id:yamasa-kick:20180225191405j:image

f:id:yamasa-kick:20180225191436j:image

f:id:yamasa-kick:20180225191516j:image

 

午後になってからは、海保も余裕が無くなったのか、とうとうまたオイルフェンスの近くまで距離を詰めてカヌーの進入を防ごうとし始めた。

日々集まるカヌーが20艇を超えたなら、どうなるだろう。

まだまだ出来ることがあるはずだ。

そのことをメンバーたちといつも話している。

 

f:id:yamasa-kick:20180225191617j:image

f:id:yamasa-kick:20180225191639j:image

 

 

護岸工事は大浦湾でK9護岸の工事が始まった昨年4/25から10ヶ月となり、着々と作業が進められてしまっている。

埋め立て工事全体から見ればたった数パーセントだとの見方もあるが、今を楽観視している人々は一体何パーセントまで作業が進めば重い腰を上げるのだろう?

既にどれだけの生物が捨て石や被覆ブロックによって、その住処を奪われているのか想像してみて欲しい。

 

f:id:yamasa-kick:20180225191745j:image

f:id:yamasa-kick:20180225191715j:image

 

現在はK1,2,3,4の護岸を繋げて伸ばし、中仕切り護岸N5まで到達させて、辺野古漁港に最も近いエリア(写真のピンク色の部分)を囲い込んでしまおうとしている。

 f:id:yamasa-kick:20180225185614j:image

 このエリアを囲う護岸の全長の4割以上は既に捨て石投下が済んでいる。(写真の護岸ラインの黒い部分)

ここを囲われてしまえば、その中に基地内から土砂がどんどんと投入され、埋め立てが加速していく。

我々市民はまさに蚊帳の外に追いやられ、見ていることしか出来なくなるだろう。

埋め立て工事を止めるチャンスは今だから有るのだ。

 

そして、そのチャンスを逃すと埋められた海は二度と取り戻せない。

 

f:id:yamasa-kick:20180225191853j:image

(赤白鉄塔前の浜から東西に伸ばされた工事用仮設道路。向かって右方向の辺野古崎側へ伸びた道路は、N5護岸の取付道路に間も無く接続する距離まで工事が進んだ)

f:id:yamasa-kick:20180225191917j:image

 

 


辺野古ドクロ前 K1〜K2護岸

 

絶望から始めること

辺野古 2/13

カヌー11艇(午後は9艇)、抗議船2隻でK2護岸工事現場へ。

f:id:yamasa-kick:20180216145157j:image


オイルフェンスの内側では高速の海保ゴムボート13艇(フェンスの外側には2艇)が待ち構える。
一対一でカヌーにゴムボートがマークについても、ゴムボートの数が余る状態。

 

f:id:yamasa-kick:20180216145127j:image


オイルフェンスを越えて作業現場へ近づくことは非常に難しい。
カヌーが20艇いれば少しは隙をつけるが、ゴムボートより少なくてはかなり厳しい状態。

f:id:yamasa-kick:20180216145231j:image

f:id:yamasa-kick:20180216145259j:image
しかも、辺野古イノーから大浦湾まで、大きくオイルフェンスとフロートで囲われている。
埋め立て予定地が丸々すっぽり囲まれてしまった格好だ。

f:id:yamasa-kick:20180216145333j:image

 

 名護市長選から一週間が経って、状況は変わりつつある。
稲嶺さんが市長権限で歯止めをかけていたのは、主に3つのポイントが有った。
辺野古ダム湖面の使用許可」
「美謝川の切替え」
辺野古漁港の占有許可」
自公政権が送り込んだ新市長はこれらを今後、タイミングを見て許可し、基地建設を加速させていくだろう。

 

f:id:yamasa-kick:20180216145009j:image


既に辺野古ダム周辺では工事に向けて測量が始まっているとの情報もある。
また、現在カヌーが海へ出ていく拠点となっている松田ぬ浜(バナーの張られているフェンスの浜)は、新市長が辺野古漁港の占有を許可してしまえば、工事の作業ヤードとして埋め立てられてしまう。
浜のテントについても同様に撤去を迫られるだろう。

そうなれば、海上行動自体の継続も厳しい状況に追い込まれる。

だから、国は稲嶺名護市長を全力をあげておとしにかかったのだ。

 

名護市長選後に僕は大きな絶望を味わった。
それは選挙結果にではない。
僕も沖縄に移り住んで何度か選挙に関わったが、今までの沖縄の選挙には本土の絶望的な選挙とは明らかに違う空気が有った。
地域の人々が、自主的に動いて候補者を盛り立てていく。
候補者はしっかりと市民を見て、その民意を受け止める。
僕は本土では見ない生きた民主主義がここ沖縄には有ると感じていた。
しかし、今回の名護市長選では、国が地方自治を踏みにじるように、人と金と汚いノウハウを持ち込み、市長の椅子を力ずくで奪った。
僕はこの国の恥も外聞ない横暴なやり方に、絶望したのだ。


選挙結果を名護市民は基地建設を苦渋の選択で容認したと受け止める人々もいるようだが、それを言うなら、名護市をこのように踏みつける政権を結果として選挙で選び、辺野古新地建設を容認しているのは全国の市民だと受け止めなければならない。
このことについての本土の人々の無自覚は絶望的な状況だ。

 

海の状況も、この国の政治的状況も、絶望的な状況だ。
僕はこのブログには、できるだけ前向きなことを書こうと思っている。
だから、今この絶望的な状況をはっきり書いておこうと思う。
果たして、この絶望的状況をこの国に住む人々のいったいどれだけの人が正面から受け止めているのだろう?

 

f:id:yamasa-kick:20180216145616j:image

f:id:yamasa-kick:20180216145738j:image


僕たちはまずこの絶望をしっかり受け止めなければならない。
そこから目をそらさず、絶望から始めること。
それが今この危機から脱するための、一番前向きな態度だと思うのだ。
そこからしか何も始まらない。

音楽を一緒に♪ 〜ハナレグミ「ありふれた言葉」


ありふれた言葉 - ハナレグミ

 

 

あっという間に一日が通り過ぎていく

朝は早いし

仕事に行かなくちゃだし

壊されていく海も気になるし

カヌーで抗議に行きたいし

負けられない選挙もあるし

仲間を増やしたいし

仲間を守りたいし

読みたい本は山積みだし

取りこんだ洗濯物も山積みだし

使った食器も山積みだし

たまにはギターも弾きたいし

ゆっくり絵も描きたいし

あの子に手紙も書きたいし

あの子の声も聞きたいし

メールの返事を書かなきゃだし

ごはんも自分で作りたいし

ブログもそろそろ書かないとだし

何か木で作りたいし

思ったことをいつか書きたいし

この先のことも考えないとだし

明日の準備もしないとだし

疲れていつの間にか眠っちゃうし

そうこうしてる間に1月も終わりだし

 

毎日毎日やりたいことの10パーセントもできないで

凹んでばかりの日々ですが

どうにかこうにかそれなりにやってます

 

名護はそろそろさくらの季節です

まだまださむいんだけどね

 

f:id:yamasa-kick:20180127012730j:plain